
Cell Rep. 2026 Sep22;45(9):117970. doi: 10.1016/j.celrep.2026.117970.
単球は骨髄において造血前駆細胞から一連の中間前駆細胞を経て継続的に生成され、最終的には組織へと移動して、宿主防御や組織病理において中心的な役割を果たすさまざまな種類のマクロファージを生み出します。感染症、炎症、悪性腫瘍に対する治療を目的として、血液や組織中の単球が標的とされてきた一方で、その前駆細胞は軽視されてきた。我々は、ヒト骨髄および臍帯血由来のヒト顆粒球・単球前駆細胞(GMP)を4つの階層的な集団に細分化し、その中の1つが共通単球前駆細胞(cMoPs、CLEC12A+CD64hi)であることを報告した(Immunity 2017)。また、CLEC12A+CD64int集団を修正型GMPs(rGMPs)とした。その後、Marco Cassatella博士の研究グループは、我々のrGMPsを精査した。CLEC12Aの代わりに CD115を用いて、rGMPsのCD115-CD64int分画が好中球のみを生み出す前駆細胞(NCP2s)であることを報告した(Nat Immunol 2022)。一方、CD115+CD64int分画に関する十分な解析は行われていなかった(以上、図参照)。

従来のCD115+CLEC12A+CD64hi cMoPsとCD115+CD64int cMoPsを詳細に解析した結果、以下のことが明らかになった。
1)両者を適正条件で培養すると、同数のCD14+単球を生み出すこと、それらのCD14+単球をIFNγとLPSで刺激すると、同等の炎症性サイトカインを産生する。
2)CD115+CLEC12A+CD64hiとの比較において、CD115+CD64int cMoPsはより未熟であり、CD115+CD64int cMoPsからCD115+CLEC12A+CD64hiへの分化経路が存在する。
3)CD115+CD64hi/int cMoPを対象としたATAC-seq解析により、IRF8、PU.1、およびC/EBPδが、単球の分化に関与すると推定される転写因子として同定された。
ヒトcMoPsをCD115+CD64hi/int細胞として再定義することで、単球への分化が決定づけられた単一系統の前駆細胞を包括的に網羅できることを示した。CD115+CD64hi/int cMoPsには、CLEC12A+CD64hi cMoPsよりも未熟な細胞が多く含まれているが、その分化能は依然として単球の生成に限定されている。さらに、cMoPsには特徴的なオープンクロマチンおよび転写因子パターンが存在することが判明し、IRFおよびETSがcMoPsの生理学および病態生理学において重要な役割を果たしていることを示唆している。