エッセイEssay

内藤財団からの最初と最後?のご支援

内藤財団からの最初のご支援は1992年の留学助成金である。当時、スイスローザンヌにあるルードウィヒ癌研究所のRobson MacDonald博士からポスドクとして受け入れ許可をもらったものの「最初の1年間の生活費は日本の助成金で賄うこと」という条件付きであった。得体の知れない日本人なので、1年間様子を見て使いものになりそうなら本格的に雇用しようという考えもあったのかもしれない。突如、大慌てで助成金探しが始まり、貴財団の〆切が3日後であることに気付いた。学内推薦の〆切はとうに過ぎている。応募要項を読み直したところ、内藤財団の評議員でも推薦者になれることを知り、不躾に石田名香雄先生(元東北大学学長)にお願いしてなんとか承諾をいただき、1日で申請書を仕上げて翌日押印を頂きに行った。「ガッハッハ、間に合うと良いね!」。速達で投函し、何とか〆切に間に合い、その後運よく採択頂いた。今思い返しても冷や汗ものである。結局、スイスには3年2ヶ月滞在した。あれから30年、現在61歳の私は、退官まで4年を残すタイミングで、内藤記念科学奨励金・研究助成に採択頂いた。おそらく内藤財団から頂く最後の助成金になるであろう。採択研究テーマは若い研究者に負けないくらいバリバリに面白い。良い成果に繋げて細やかな恩返しができればと密かに思っている。。。(内藤財団時報2023年9月 vol.112より一部改変の上転載)