エッセイEssay

恩師、小安重夫先生最終講義での挨拶

東京医科歯科大学の樗木でございます。慶應小安研同窓生を代表して、謹んでお礼と祝辞を述べさせていただきます。まずは、パンデミックの収束が見えない中、オンラインで素晴らしい最終講義「感染免疫研究に魅せられて」を拝聴する機会をいただき誠にありがとうございました。小安先生が慶應義塾大学に着任されたのは1995年10月、それから今日まで25年5ヶ月、ハーバード医科大学時代まで遡りますと、実に30年5ヶ月という長きに渡りPIとして研究を継続され、数々の素晴らしい研究成果を上げられ、この3月で大きな節目を迎えられました。何より健康で無事に一区切りの日を迎えられましたこと、誠におめでとうございます。また、大変お疲れさまでした。小安先生は、現在も理研の理事、免疫学会の理事長という要職につかれておりますので、寂しいという感情は抱いておられないと思います。先生は“元気印の塊”のような方で、私が慶應でご指導いただいた1998-2002年当時だけでなく、その後も、忙しい仕事の合間を縫って、バドミントンやサッカーをされていましたし、金曜夕方にはハッピーアワーと称して、ビールを飲みながら研究+アルファを語っておられましたので、この最終講義を境に、急に老け込んでしまう小安先生の姿など、誰も想像できないと思います。

小安研の同窓生なら、先生とカラオケをご一緒したことがあると思います。先生のレパートリーの中で、沢田研二の「勝手にしやがれ」は皆で盛り上がる定番ですが、私が個人的に好きなのは、さだまさしの「風に立つライオン」です。先生の現在の、さらには今後就任されるであろうお立場で、「風に立つライオン」の様に、これからの日本の基礎研究を、正しい方向に導いて頂きたいと、切にお願い申し上げる次第です。

最後に、旧慶應小安研スタッフ並びに茂呂先生と相談して、また同窓生の皆様にご賛同いただき、慶應で先生がラボをスタートされた1995年のシャトー・ラフィットと、ペアーのワイングラスを記念に送らせて頂きます。私事ではありますが、私は小安研に在職中、毎週土曜午後にワインスクールに通っていた時期がありました。今回のワインの選定に私の知識が多少役立ちましたので、当時のことは何卒お許しください。また、ワイングラスには「Memories from 1995 to 2021」とメッセージを入れさせていただきました。お忙しい時間の合間に、ご苦労を共にされた奥様とお楽しみいただければ、同窓生一同大変嬉しく存じます。簡単ではございますが、先生の今後の益々のご発展をお祈りして、私の挨拶とさせていただきます。この度は誠におめでとうございました。